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WAREHOUSE

FACTORY TOUR

フランネルシャツにみるウエアハウスの真髄


ロングセラーを誇る、ウエアハウスのネルシャツは
"オーセンティックに日常的に着られるネルシャツを!"という
コンセプトで作られる。今回はそのネルシャツに込められた
ウエアハウスの熱い想いを紐解いていく。



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ジーンズはもちろんのこと、ウエアハウスがプロダクツを生み出すにあたり、
生地作りと縫製仕様にこそ、彼らのアイデンディティが注入されている。
そこで間もなく新作が登場するフランネルシャツを例に取りフォーカスしていく。

その縫製工場は岡山県児島エリアの住宅街に佇んでいる。
創業1966年という老舗の宝縫製は、シャツ専門に縫製するファクトリーだが、
ワークシャツのような厚手のシャツを主に手掛け、ウエアハウスのワークシャツを一手に担っているという。

「ウエアハウスさんは毎シーズン生地や縫製仕様が異なるので苦労する部分もあるけれど、
我々自身も勉強になるんですよ」と工場代表の中道智さん。
彼はウエアハウスが絶大な信頼を寄せている人物で、
長年同ブランドのネルシャツやワークシャツを担当しているパートナー。
工場には、ミシンはウエアハウスのシャツだけを縫うために、
インチセッティングが施されたミシンが設置される(通常日本はミリ設定)。
そのため右上の写真のような脇部分の巻き縫い幅は7/32インチ(0・56センチ)に設定。
裏側に出る環縫いもシャツらしい張力の効いたものに。
その仕上がりはまさに旧きよき時代感のあるアメリカらしい縫製なのだ。





またフランネルの生地自体にもブランドの強い想いが注入される。
いまや日本に限られた地域にしか残っていない旧式の力職機。
これによって生まれる副産物がセルビッジ。
ジーンズはセルビッジ、Tシャツは丸胴というように、ディテールでプロダクトの旧さの度合いを
判別されがちだが、ウエアハウスが求めるのは、その先にある生地の風合い。
デニム同様に旧いネルシャツの生地を織っていた糸は不均一なムラ糸。
その糸を現代の新しい織機を使用して強いテンションをかけて織ると
ヴィンテージとはかけ離れた生地になってしまう。
つまり単糸が持つ本来の風合いが損なわれてしまうのだ。
そのため力織機で織る最大のメリットは、セルビッジを持った生地を生み出すことではなく、
糸本来が持つ凹凸を損なわない生地というわけなのだ。

生地と縫製。これがウエアハウスのアイデンティティのひとつと言えるだろう。





タテ、ヨコともに違う染色方法で染められた数種類の単糸が力織機にセットされる。
色違いのヨコ糸を積んだシャトルが、パンチカードの配列に
従って糸を運び、ゆっくりと柄が構成されていく









生地の表には微起毛、裏には深い起毛を施すことで、
温かみのある風合いが生まれる。
着こむほどに起毛が束ねられ、ヴィンテージのような風合いが生まれていく




アメリカのワークウェアを追及して生産される縫製仕様




肩、脇部分にかけての巻き縫いの幅は
7/32インチ(0.56センチ)に設定。




左身頃の生地をラッパに入れて折り曲げて縫製される前立て。
立体感のある仕様が特徴的。




力織機で作られた証ともいうべきセルビッジ付きのマチ。
ただしウエアハウスはセルビッジ生地を強調したいのではなく、
力織機による生地の風合いを求めて生まれたものとして捉えている。




今回の取材で工場では前立て部分をラッパ
(縫製する際に使用する金属のガイド)に
通し縫製する現場に立ち会えた。
手作業でしかできない手間のかかる縫製箇所だ。




柄によって使い分けているボタン。
天然素材から耐久性の向上により生産された
1950年代前後のデザインを採用。
細かな柄の黒とアイボリーのボタンは別注したもの




ポケットは角が丸くなっているタイプと斜めに
カットされたタイプが存在する。
またフラップにはペン差しがないものも展開。
徹底してディテールを使い分ける姿勢には脱帽。

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